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バランスの良い食事とは

執筆者:カラダヴィンチ編集部
公開日:2019/03/20
バランスの良い食事とは

目次

  • 1 『養生訓』に学ぶ
  • 2 医食同源
  • 3 食物の「五性」と「五味」
  • 4 バランス良い食事、悪い食事とは
  • 5 伝統の知恵を見直そう
  • 6 【参考】

『養生訓』に学ぶ

『養生訓』とは、江戸時代の本草学者(薬学者)である貝原益軒が著した書物で、健康的に長生きするさまざまな知恵が記されています。

養生とは、文字通り「生」を「養う」ことで、病気にならないように食事、睡眠、運動などに気を配ることです。

江戸時代とくらべて飛躍的に医学が発展した現代においても『養生訓』から学ぶことは少なくありません。

2つほど例を挙げてみましょう。

「いにしえ、もろこしに食医の官あり。食養によつて百病を治すと云。今とても、食養なくんばあるべからず。殊老人は脾胃よはし、尤食養宜しかるべし。薬を用るは、やむ事を得ざる時の事也」

(訳)
「昔の中国には食事によって病気を治療する食医という官職があった。今の時代でも食事からきちんと栄養を摂ることが大切である。とくに老人は胃腸が弱くなっているので、食事には特に気を遣わなければいけない。薬による治療はやむを得ない場合に行うものである」

「病なき時は、只、穀肉を以(て)やしなふべし。穀肉の、脾胃をやしなふによろしき事、参茋の補にまされり」

(訳)
「病気ではない時には、食事によって健康を維持すること。食事による健康維持は、漢方薬に勝る」

貝原益軒は『養生訓』の中で、心身を健康に保つためには日々の正しい食事が重要であると説いています。

医食同源

「医食同源」とは、中国の薬食同源の考えが元になっており、医薬品も食物も源は同じであるという考え方です。薬膳はこの考え方を体現化したもので、体質や健康状態に応じた食事を摂ることで、病気の予防や治療を行います。

医食同源の考え方は、漢方にも通じるところがあります。

漢方では、同じ症状でも、体質が異なると、治療方法も異なります。
たとえば、同じ高血圧の治療をするにしても、虚弱体質の人と、体つきががっちりしていて暑がりの人では処方する漢方薬は異なるのです。

同様に薬膳においても、体質によって選ぶ食材が異なります。

食物の「五性」と「五味」

古代中国の思想である「五行思想」では、世の中のあらゆるものを5つの要素に分類します。

五行思想のおける食物の分類として「五性」と「五味」があります。

「五性」とは、食物の体を温める作用を、熱性、温性、平性、涼性、寒性の5段階に分けたものです。

冷え性の人は、身体を温める作用がある生姜やトウガラシなどの香辛料や根菜類を食べる。
熱がこもってのぼせ気味の人は、身体を冷やす作用があるナスやキュウリなどの瓜類を食べる。

このような話は祖父や祖母から聞いたことがあるかもしれません。

昔から伝わる食事の知恵も、医食同源の考えに基づいたものが多いのです。

「五味」とは、食物を「辛」(辛い)、苦(苦い)、甘(甘い)、鹹(塩辛い)、酸(酸っぱい)の5つの味覚で分けたものです。

五味の基本的な性質は次の通りです。

辛:体内の血液や体液の循環を良くする。
苦:体内の余分な熱や水分を除去する。
甘:血を補い、筋肉や神経の緊張を緩める。 
鹹:固まったものを柔らげる。
酸:筋肉や内臓を引き締める。

薬膳では体調に応じて、食材の五性と五味を考慮して料理を作ります。

バランス良い食事、悪い食事とは

ところで「バランスの良い食事」とよく言いますが、そもそも「バランスの良い食事」とは、具体的にどのような食事なのでしょうか? 

『養生訓』では、五味の備わったものを少しずつ食べれば病気にかからない、とされています。
つまり、たくさんの種類の食材を少しずつ、まんべんなく食べましょうということです。

一方で、『養生訓』には「五味偏勝」という言葉も出てきます。
「五味偏勝」とは同じ味のものを食べすぎるという意味で、次のような症状があらわれます。

甘いものが多いと、お腹がはっていたむ。
辛いものが多いと、気が上がって気が減り、瘡を生じ、眼を悪くする。
塩辛いものが多いと、血が乾き、喉が渇き、湯水を多く飲むと脾胃を破る。
苦いものが多いと、脾胃の生気を損なう。
酸っぱいものが多いと、気がちぢまる。

簡単にいうと「偏食は良くない」ということです。

『養生訓』は江戸時代に書かれており、漢方や中医学の大事な概念である「気の巡りを整える」という考えに基づいているので、その内容は現代の私たちには非科学的なように思えます。

しかしながら、たとえば「甘いものが多いと、お腹がはっていたむ」というのは、甘いものには糖質が多く、血糖値が上がりやすいので、食べ過ぎるとお腹が張ります。これは現代の医学と照らし合わせても納得できるものです。

辛いものが多いと、「気が上がって気が減り」という表現はわかりづらいですが、これはのぼせてふらついた状態を表しています。瘡は皮膚の粘膜の湿疹のことです。辛いものを食べ過ぎると、胃が荒れて、口内炎ができたり、お尻がヒリヒリしたりします。

塩辛い物を食べると、喉が渇くのは当然ですが、血が渇くというのは血圧が上がった状態を表しています。そして、喉が渇いて水を飲みすぎると胃酸が薄まって胃腸の機能が低下します。

このように、一見すると昔の迷信のような内容ですが、これらは現代の医学からみても理にかなっていることが少なくありません。

伝統の知恵を見直そう

『養生訓』にある「たくさんの種類の食材を少しずつ、まんべんなく食べる」という考え方は、特定の栄養素をサプリメントや健康食品からの補給に頼るという考え方とは根本的に異なります。

「すぐに不調を治したい」、「手軽にやせたい」とサプリメントや健康食品を手に取るのではなく、まっとうな食生活を続けることが健康を維持する秘訣といえるでしょう。

【参考】

『養生訓』 貝原益軒(著)、松田道雄(訳) 中公文庫
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『オールカラー版 基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書』 平馬直樹 (監修)、浅川 要 (監修)、辰巳 洋 (監修) ナツメ社
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『「養生訓」に学ぶ! 病気にならない生き方』 下方浩史(著)、 末続あけみ(イラスト)  素朴社 
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